2015年に当法人で立ち上げた”地域包括ケア対応プロジェクト”の一環として、多職種参加型の「在宅医療カンファレンス」を開始しました。
医師と看護師のみが参加して在宅症例すべてに対して行なっていた従来型のカンファレンスとは異なり、参加対象を法人内全職種とし、「毎月1症例に限定」「参加者全員が最低1回は発言」「相手の意見を決して否定しない」「結論を出すことにこだわらない」「1時間で終了」を基本ルールとし、「臨床倫理の4分割法」に基づいて議論を行い、フロアからの質問や発言の内容をホワイトボードに記載していきます。
そして、2018年5月からは「マインドマップ」を取り入れ、議論内容を中心から4か所に枝分かれさせるようにしました。
新たにマインドマップの仕組みを導入したことで、内容がより整理されて情報が有機的に結びつくようになり、スタッフからより多くの意見が活発に出て、議論がより深まるようになりました。
このカンファレンスで得られるようになったものは、大きく3つあリます。
1つ目は、対象症例を毎回1名に限定したことで、生活背景や家族構成、患者様のこれまでの人生の歩みなどを踏まえたいわゆる「SDH(健康の社会的決定要因)」(詳しくはこちら)の視点に立った深い議論ができるようになったことです。
2つ目は、「相手の意見を否定しない」スタンスで意見を述べ合うことで、各々が他の職種の専門的な知識や視点を素直に取り入れられるようになったことです。
3つ目は、カンファレンスを通して普段顔を合わせる機会の少ない職員同士の交流が進み、日常的な業務連携を取りやすくなったことです。
2015年11月の第1回では6名のみの参加でしたが、回を重ねる毎に参加者が増え、現在は常時10名を超えるようになりました。
最近は、連携する歯科医や患者さんのケアマネジャー、利用している施設スタッフなど他法人の医療介護関係者が定期的に参加してくれるようになり、連携の輪がどんどん広がっています。
※現在はコロナ禍のため、他法人の方々の参加はしばらく見合わせています。再開の際にはホームページ上で告知いたします。