◎研修目標
・一般目標
地域に根ざした第一線病院および診療所の総合医・家庭医として、その地域の医療・保健・福祉システムを理解し、さらにその地域の特性や住民の要望を理解・共有して、患者中心の医療・家族志向型のケアを包括的かつ継続的に実践するための知識・技能・態度を習得する。
・行動目標
(1)内科を中心とした診断・診療能力の獲得
①初期臨床研修時に必須である手技及び以下の手技(気管内挿管、気管切開、中心静脈カテーテル挿入、胸腔穿刺・トロッカーカテーテル挿入、腹腔穿刺、骨髄穿刺、皮膚縫合)を単独で安全かつ確実に実施することができる。
②患者の主訴を理解し、現病歴・既往歴聴取及び身体診察を実施した上で必要かつ適切な検査を選択し、それらの情報や結果を統合して臨床的問題点を抽出できる。そして臨床的問題点に対して、EBMを重視しつつ自ら治療計画を立案し実施する事が出来る。解決困難な問題点に関しては、文献的調査や指導医・上級医及び他施設の医師へのコンサルト等可能な手段の限りを駆使して問題解決に努めることができる。
③外来においていわゆるcommon diseaseに対する適切な診察・診断・治療を行い、また慢性疾患に対する管理をすることができる。また、救急外来においてCPRを含めた一次及び二次救急の初期対応を行い、必要時には高次医療機関へ紹介することができる。
④在宅医療の仕組みを理解し、主治医として患者を取り巻く環境に配慮した訪問診療を行うことができる。
⑤診療所医療の特徴を理解し、外来を中心とした診療を行うことができる。
⑥透析医療の基本を理解し、慢性期の透析患者の管理をすることができる。
⑦成人の健診(検診)を行い、必要に応じて結果の説明と生活指導を行うことができる。
⑧患者のプライバシー保護に配慮した正しいインフォームド・コンセントを行い、自身及び研修先医療機関の診療能力の限界を見極め適切なタイミングで専門医へ紹介することができる。
⑨自らのサブスペシャリティ分野を見つけそれを深めるとともに、日本内科学会認定医や日本プライマリ・ケア連合学会家庭医専門医の取得を目指す。
⑩臨床実践の経験を基に、幅広く生涯にわたって学習する姿勢を身に付ける。
(2)地域を理解しケアする能力の獲得
①医療機関の立地する地域の歴史や政治的・文化的背景、更には現在の経済的状況や近隣住民の年齢層等を理解し、その情報を日常診療に活用することができる。
②地域住民の行う班会等の催しに積極的に参加して様々な協同をすすめ、地域の要求や展望を理解・共有し、地域の多職種や住民と協力して地域の問題点を改善することができる。
③地域の医療・保健・福祉システムを十分に理解した上で良好なネットワークを形成し、必要に応じてそれを活用することができる。
(3)患者中心の医療・家族志向型のケアを包括的かつ継続的に提供する能力の獲得
①質の高いコミュニケーション能力を身に付けて良好な医師-患者関係を築き、患者の生活・家庭環境や職業等を考慮した「患者中心の医療」を実践することができる。
②患者のみならず患者の家族全体の健康を念頭に置いたアプローチをして、家族を一つの診療対象と捉えた「家族志向型のケア」を実践することができる。
③院内及び関連施設の他職種と協力・連携し、「チーム医療」のリーダーとして患者中心・家族指向型の医療・ケアを実践することができる。
◎方略
(1)必修科目
①病棟診療
一般病棟で高齢者を中心とした入院患者を常時担当し、数名の重症患者管理も行う。
②外来診療
附属クリニック内科外来診療を週1~2単位行う。入院時担当していた患者の退院後の外来follow upから開始し、一般外来にてcommon diseaseの診療を担当する。また、可能ならば定期通院する患者の予約外来診療も担当する。
③救急外来診療および(日)当直業務
救急外来業務を週1単位以上担当しつつ、weekdayは可能な限り救急患者のfirst callを担う。また、週1回程度の当直(日直)を担当する。
④訪問診療
附属クリニック訪問診療の実務研修を週1単位程度行う。まず上級医の診療の同行から開始し早期に独立を目指す。
⑤健診(検診)業務
健診(検診)業務を週1単位以上担当する。
受診者が受けた胸部レントゲンや心電図等の読影を担当する。
⑥診療所診療
共立/あおぞら診療所での外来・訪問診療および健診(検診)業務を担当する。
(2)選択科目
①透析診療
②上部/下部消化管内視鏡検査
③腹部超音波検査
④単純レントゲン/CT撮影、上部/下部消化管造影の読影
⑤当院での回復期リハビリテーション病棟/療養病棟研修
⑥協力施設での総合内科/家庭医研修
(3)その他
①研修医新患プレゼンテーション
新規担当入院患者のプレゼンテーションを原則的に毎日行う。
②医局ケースカンファレンス
毎週医局員が特徴的な入院患者症例等について臨床的問題点や治療方針等を議論する場に参加する。
③病棟カンファレンス:週1回
④外来・救急カンファレンス:週1回
⑤往診カンファレンス:月1回
⑥透析カンファレンス:月2回
⑦他職種向けの学習会を企画立案し開催する。
⑧NST、褥瘡管理、感染対策、医療安全などの各種委員会に積極的に参加する。
◎研修スケジュール(例)
◎評価方法
(1)形成的評価
①ローテート終了時および総括期に、評価表をもとに研修目標到達度評価を行う。
②日本プライマリ・ケア連合学会専門医や日本内科学会認定医の受験希望者は、試験に必要なポートフォリオやレポートを作成し指導医より指導を受ける。
(2)総括的評価
プログラム終了時に、一般目標・行動目標に基づいた到達点の総括を行う。
◎指導体制
プログラム責任者:山川文男、指導医:菊地修司
◎募集定員
2名
◎身分・処遇
身分:常勤
給与:法人常勤医師基本給に準じる
諸手当:医師手当、日・当直手当、賞与3回/年、住宅手当、交通費 など
休日:4週6休、 夏期休暇(5日間)、年末年始休暇、有給休暇
福利厚生:健康保険、厚生年金、失業保険 あり
学会:法人が認める学会の会費と参加保障(二学会まで)
※お問い合わせ
〒310-0803 茨城県水戸市城南 3-15-17
城南病院 医局 研修担当 山田圭吾
TEL:029-224-2210(医局 直通)