4月1日より城南病院院長を拝命いたしました。
コロナ禍の真っ只中に就任した自分に課せられている最大の使命は、新型コロナウイルス感染症対策の先頭に立ち、地域や組合員の皆さま、そして職員全員の健康を守りぬく事だと自覚しております。
城南病院は1980年に開設されて以降、医療・介護情勢が日々変化する中で組合員の皆様や地域の方々のご支援をいただきながら様々な変遷を経てきました。
現在はベッド数83床と小さな病院ながら、一般病棟・回復期リハビリテーション病棟と特徴の異なる2つの病棟を有し、急性期から回復期・生活期と幅広い期間にわたり「いつでも誰でもが安心してかかれる医療」を追求しています。
また、健康診断や予防接種などの保健予防活動にも力を入れています。
病院および附属クリニック全体として、「総合診療」と「訪問診療」、「リハビリテーション」、「透析医療」を4つの柱に据え、これらの分野の充実と発展に職員一丸となって日々取り組む一方で、医療情勢の変化や地域のニーズに応えるため、“ハブ”病院としての機能を高めてきました。
経済格差は、健康格差と深いかかわりがあります。近年は「SDH(健康の社会的決定要因)」という概念が注目されており、住む場所や国籍、教育など個人の社会的背景に加えて、地域のつながりや生活環境、経済状態などの社会的な要因が個人の健康に影響すると言われています。
私たちは、病院設立当時から患者さんの病気だけでなく生活背景や家庭環境、経済的状況を考慮した診療を心がけてきました。その取り組みは「SDH」の概念となんら矛盾することはなく、これからも現在のアプローチを継続していきたいと考えています。
経済状況の悪化や保険料・自己負担額の増加などにより、病院にかかれない方が増えてきています。
私たちはこの様な状況に対応して、差額ベッド代はいただかない方針を開設以来堅持しています。
また、2012年からは無料・低額診療事業を開始し、現在にいたります。
超高齢社会に突入し、地域包括ケア時代を迎えた今、地域の皆さんや近隣の医療機関・介護及び福祉事業所等との協力協同がより重要になってきています。
周りとより連携を深め、地域の方々の命と健康、生活を守るために引き続き尽力していく所存です。
今後もご支援ご指導の程よろしくお願いいたします。
2021年4月1日(木) 城南病院院長 菊地修司